花弁は何枚?

品種改良される前の花の花びらは3枚・5枚・8枚・13枚・34枚であることが多く、桜などは5枚、ユリ科やツユクサ科は3枚、キク科のコスモス、マーガレット、ヒマワリは8枚になっています。
枝や葉の本数、枚数もこの数列の数でできています。上から見て重ならないように枝葉を生やすにはこの数に従った方がいいのです。何のためにいいかというと太陽の光をすべての葉に当たりやすいよう配置するためにいいのですね。

枝葉の工夫

枝や葉っぱをどの方向に生やせば効率よく太陽の光を受け止められるかを自然の植物は知っているのでしょう。
計算してみると、だいたい137.5度近辺がいいのです。そしてこの角度で自分自身の周りに重なって影ができないように枝葉を伸ばして成長していくと、1周(ビルの1階分と考えるとわかりやすいでしょうか)に上の数列に従った数の枝葉を生やすのです。上の数列は137.5度が作り出す数の並びなのです。

137.5度

137.5度という数字は円周360度を1:(1+√5)/2で分割すると出てくる数字です。
この比率は黄金比という名前で知られています。

実は古来、この種の比率は貴金属比として知られていて、1:(√(N+N2+4))/2と表します。

上記の数式のNを1にすると黄金比、2にすると白銀比、3にすると青銅比と呼ばれます。

ピラミッドやパルテノン神殿がこの比でできていると言う説もあります。数学者のユークリッドやレオナルド・ダビンチは絵画や計算に黄金比をよく使っていたそうです。

花や芸術によく現れることからビューティフルナンバーと呼ばれることもあります。

安心できる比率

この比率で創られた建造物や絵画、あるいはモデルさんの身体のバランスが美しいかどうかは主観によりますが、安定した比率であることは間違いないようです。

安定している、安心感がある形を創るということですね。安心感があるというのは目に優しいとも通じてきます。不安になるようなバランスは目に優しいデザインではないでしょう。

そのため、積極的に黄金比は使われてきました。名刺の比率なども黄金比になっています。

バランスの極致美-生け花

日本では白銀比がよく使われます。コピー用紙の比率が白銀比。
直角二等辺三角形の辺の比率でもあります。
この三角形を二つ折りにしていくと何回折っても相似形になります。とても扱いやすい比率なんですね。そのため、昔の大工さんは曲尺というものを持っていました。直角に曲がる物差しでその比率が白銀比でした。

生け花と言えば、西洋ではフラワーアレンジメント、日本では華道です。
西洋風のルールは黄金比にしたがって高低をつけてアレンジします。
華道では直角二等辺三角形を立てたバランスで飾ります。

華道のバランスには7:5:3という比率が有名です。七五三の行事の比率です。
フラワーアレンジメントでは8:5:3が使われます。

黄金比はだいたい5:8、白銀比は5:7です。

パイナップル、松ぼっくり、あるいはロマネスコというカリフラワーみたいな実には周り回廊のようならせん構造が見られます。このらせんの数を数えてみると5本、8本、13本になります。黄金比が創る数列です。

Webでもゲームでもいい比率

Webのルーツは西洋というわけでもないのでしょうが、こちらは黄金比がバランスのいい形として使われています。Webページのデザインにたくさん見られる形です。
5:8、あるいは1:1.6という比率で使います。

画像の縦横比率としても有用です。この比率で画像を見せると、大きくヒキで見た場合と、寄って細部に集中して見た時のバランスが一緒になります。
視線を留めるというWebページの特性から見て最適な形なのです。

画像に背景を付け、全体を一つのまとまった風景としてデザインしたい場合には黄金比がいいのです。背景だって大事な要素と考えるなら、定評のある比率を使わない手はないでしょう。

テキストもこの比率の枠の中に書き込むというイメージで見せると、とても読みやすくなります。
下記のように行間に気を使う人もいます。

  • .golden-ratio{line-height:1.61; /*黄金比*/ }
  • .yamato-ration{line-heigh:1.41; /*大和比*/ }
  • .platinum-ratio{line-height:1.73; /*白銀比*/ }

ゲームにも!空間の魔術師

ゲームではどんな風に使われるかというと、例えば何かのクリエイチャーが襲ってくる時に、画面の中央から来るのではなく、黄金分割(1:1.6)分だけ左右に寄らせます。

すると背景に溶け込んでいるように見え、より臨場感も恐怖もイメージ化できます。空間の感覚がゲームをする人に生まれるのです。すると、そこからも新たな敵が来るかもしれないと意識してしまうのですね。
中央に置くとキャラが立ちすぎて、そこだけが目立ってしまいます。

日本ではこの黄金比の部分をすっかり白銀比に置き換えるのもいい手法です。
おそらく西洋にあっても白銀比は黄金比と同じく安定した、安心感のある比率だと思いますが、日本は白銀比の文化と言う人もいますので、特に否定的なデータでも出てこない限りは使っていいと思います。

そしていい写真

Curalateというドイツの会社がPinterestというサービスで最も人気の出る写真についての研究を発表しています。
こちらも黄金比に近い比率で画像の縦横を決めるといいとなっています。

その他の条件としては

  1. 人の顔は入れない

    これはPinterestがモノを見せるサイトだからと思われます。28%も差が出るようです。人を扱うサイトならまた違ってきそうです。サイトの目的がユーザーの情動に影響を与えるという好例ではないかと思います。

  2. 背景は40%未満

    背景が画像の40%を超えると人気は半減するそうです。少しだけ背景を見せるといいということですね。

  3. カラフル

    これもモノサイト故ということがあるかもしれません。単調な写真よりカラフルな方が4倍の人気を集めます。強いピンク、明るいグリーン、ダークグリーン、赤とグレーのパッチが最人気の写真には使われていました。

  4. 特に赤とオレンジがお勧め

    色の中でも赤とオレンジは青イメージの画像と比べて2倍の人気を集めます。

  5. 強い光、暗い色調はNG。穏やかな明るい写真がいいのです。

    サチュレーションが50%の写真は100%の写真と比べて4倍の人気を集めました。モノクロと比べると10倍の人気度です。
    さらに穏やかな明るさの写真に比べて、非常に明るい写真と暗い写真は20分の1の人気度しか得られませんでした。